九電グループでは、より一層の電化の推進に向けた取組みを作っています。その1つが、高効率給湯器であるエコキュートやIHクッキングヒーターを中心としたオール電化の推進活動です。オール電化の体験型ショールーム「きゅうでん e-住まいる」や移動実演車「オールデンカー」では、実際にIH調理を体験することができます。
九電グループは家庭部門のオール電化や業務部門の空調・給湯・厨房設備の電化を推進するとともに電気料金の充実を図るなど、2050年における家庭・業務部門の電化率100%の実現に貢献します。
家庭でのオール電化推進と同時に、運輸部門の電化に向け、電気自動車の普及拡大にも取り組んでいます。2030年度までに社有車を電気自動車100%にする計画をはじめ、2020年12月からはマンション入居者向けの電気自動車のカーシェアリングサービス「weev」をスタートさせました。また、福岡支店と大分支店に電気自動車シェアリングのサービスステーション「NISSAN e-シェアモビ」を設置しました。
さらに、2022年度からは、マンション等集合住宅における個人専用のEV売電設備提供サービス「PRiEV」を首都圏及び福岡市で開始予定です。
九電グループでは、発電時にCO2を発生しない再生可能エネルギーの積極的な開発と最大限の受け入れを進めています。九電グループの再エネ設備保有量は、日本で3位(2020年2月末時点)です。
太陽光発電
約3万トン
大村メガソーラー
第1〜4発電所(長崎県)
設備容量:17,480kW
(パネル容量20,350kW)
操業開始:2013年3月
風力発電
約3万トン
長島風力発電所
(鹿児島県)
設備容量:50,400kW
操業開始:2008年10月
水力発電(揚水除く)
約117万トン
上椎葉発電所
(宮崎県)
設備容量:93,200kW
操業開始:1955年5月
地熱発電
約41万トン
八丁原発電所
(大分県)
設備容量:110,000kW(55,000×2)
操業開始:1977年6月
バイオマス発電
約9万トン
みやざきバイオマス
リサイクル発電所
(宮崎県)
設備容量:11,350kW
操業開始:2005年5月
※2019年度のCO2排出係数(調整後)0.479kg-CO2/kWhを使用
(出典)九電グループデータブック2021
九州電力送配電は住宅などで発電した再生可能エネルギーの受入も積極的に実施しており、九州の太陽光・風力の導入量は日本で2番目となっています。
(*)資源エネルギー庁
「固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト」のデータをもとに作成(2021年10月末時点)
四捨五入により合計が合わない場合がある。
今後、強みである地熱や水力の開発に加え、バイオマスや洋上風力の開発等を推進し、2030年に国内外の再エネ開発量500万kW〔2021年11月時点:247万kW〕を目指します。
発電時にCO2を排出しない原子力発電を安全・安定に運転することでCO2削減を進めています。2019年度には原子力発電によるCO2の抑制効果は約1,770万トンとなりました。
今後も安全最優先と地域の皆さまのご理解を前提として、既設炉の設備利用率の向上に取り組むなど最大限活用します。
九電グループでは、低炭素エネルギーの活用を進めると同時に、火力発電のCO2排出量を減らす工夫も進めています。
その一つが木材などのバイオマス燃料を使った火力発電の低炭素化です。木材は燃焼時にCO2を排出しますが、これらは元々植物が空気中から吸収したものであるため、トータルとして大気中のCO2の量は変化しません。このように何かを生産するときに、CO2の排出量と吸収量が±0になることを「カーボンニュートラル」といいます。
熊本県の苓北発電所では、間伐などで未使用のまま山に放置されている木材を、長崎県の松浦発電所では下水の汚泥をバイオマス燃料に活用しています。
苓北発電所の木質バイオマス混焼
木質バイオマス混焼用の設備を新設し、木質チップを石炭とともに微粉炭機で粉砕し、ボイラーで混焼
松浦発電所の下水汚泥バイオマス混焼
下水汚泥燃料を石炭とともに微粉炭機で粉砕し、ボイラーで燃焼
2019年12月に営業運転を開始した長崎県の松浦火力発電所2号機は、石炭火力としては世界トップクラスの発電効率を実現。CO2排出量の削減にも貢献していきます。