近年、豪雨災害や熱波、海水面上昇、干ばつなど、「異常気象」と呼ばれる現象が世界各地で頻発しています。九州でも、毎年のように記録的な豪雨災害が発生しており、多くの被害が発生し、地域の豊かな風景が奪われています。この異常気象の原因は何でしょうか?その原因は、「地球温暖化」の影響ではないかと考えられています。
地球温暖化とは、地球の平均気温が長期的に上昇することをいいます。地球の平均気温は、観測を始めた1880年から2020年までの約140年間で1.18℃上昇しています。特に、1990年代後半からは急激に上昇していることがわかります。わずか1.18℃ですが、この気温上昇が異常気象や災害の原因といわれています。
(出典)気候変動監視レポート2020
※基準値は1981〜2010年の30年平均値。※細線(黒)は、各年の基準値からの偏差を示している。※太線(青)は偏差の5年移動平均値、直線(桃)は長期変化傾向(この期間の平均的な変化傾向)を示している。
日本の平均気温はどうなっているのでしょうか。実は、日本の平均気温も上昇傾向にあり、1900年から2000年の間で1.19℃も上昇している状況です。
(出典)気候変動監視レポート2020
※基準値は1981〜2010年の30年平均値。※細線(黒)は、国内15観測地点での年平均気温の基準値からの偏差を平均した値を示している。※太線(橙)は偏差の5年移動平均値、直線(桃)は長期変化傾向(この期間の平均的な変化傾向)を示している。
これから地球の平均気温はどのように推移していく見込みなのでしょうか。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書によると、厳しい温暖化対策を取らなかった場合、1986年~2005年の平均気温と比較して、21世紀末(2081年~2100年)の平均気温は4.4℃程度上昇すると予測されています。
では、なぜ地球温暖化は起こるのでしょうか。原因は、産業の発展による「温室効果ガスの排出量増加」にあるといわれています。主な温室効果ガスには、CO2やメタン、フロンガスなどが挙げられますが、特にCO2は地球温暖化に及ぼす影響が最も大きいといわれています。
では、なぜ温室効果ガスにより、地球温暖化が進むのでしょうか。温室効果ガスの排出量が増加して滞留すると、ガスは厚い層となって地球の表面を覆います。すると、本来は大気圏外に放出されるはずの熱が大気圏内に溜め込まれてしまい、地球の気温が上昇するのです。